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国文学者、文芸評論家、電気通信大学教授の島内景二さん(26回生)は、「光源氏の人間関係」「歴史小説真剣勝負」「文豪の古典力」「楽しみながら学ぶ作歌文法」 など著書多数。2003年(平成15年)に発行されたエッセイ集を紹介する。   

 
 
 (編集部)
 
     
 

島内景二著「歴史を動かした日本語100」

 河出書房新社刊・本体1200円

 
         
 
歴史を動かした日本語100
 

言葉の力の偉大さを子供の頃に感じて以来、先人が残した言葉、言葉の連なりとして紡がれた文学、文献の研究に勤しむ著者が、日本の歴史を作り出し、日本人の精神史の領域に深く根を張った魅力的な名言名句を拾い上げたエッセイ集。

古代、中古、中世、近世、近現代の5章に分けられ、言葉やそれを発した人物の詳細がきっちり書かれた歴史書としても参考になり、学校で習った歴史教科書ではまず知り得ない情報 が嬉しい。

絶世の美女としてその名を後世に轟かす小野小町にまつわる幾多の伝説は興味深く、独特な視点で歴史を読み解く日本史探訪エッセイとして楽しめる。

 
         
 

どの名言名句も味わい深いが、馴染みの深い菅原道真のエッセイを興味深く読んだ。

東風吹かば にほいおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春を忘るな

学者の家にうまれ順調な出世コースを歩みながら時の右大臣によって筑紫太宰府に左遷された道真公が、無念の思いを歌に託し、都から筑紫に赴く際、愛着をもって育てた梅の花に向かって、その梅の香りを筑紫まで運んで欲しいと歌った有名な歌だ。
この歌同様に、道真公の、悪霊から守り神へと変貌する伝説もまた有名。あまりにもドラマチックな人生を強いられたために、そのエネルギー溢れる思いは見事なまでに短い言葉に託され表現されてきた。ちなみに長崎県出身のシンガー・ソングライターのさだまさしさんは、この梅伝説に材をとったソング「飛梅」を作っていて、私は学生時代、感慨深くその楽曲を聞いたものだ。

現在と比べ情報ツールに格段の差があったにもかかわらず、先人たちが詠み残した言葉の数々からは、深い思慮とこの世の真理をいいあて奥が深い。その精神性や宗教心の高さからは、まさに「天網恢々疎にして漏らさず」の理が浮かんでくる。

 
 
(文責・桑島まさき)
 
     
   
     
   
     
   
     
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