最近あの人みていないけど元気？　どがんしよらすとやろか？　ちょっと変わった（？）活動をし、イキイキ自分らしい毎日を送っている会員を不定期に紹介するこのコーナー。 第14回目に登場いただくのは、70歳を超えた現在も活躍されている、日本ボウリング界の重鎮、��田誠さん（６回生）です。

プロフィール

��田誠（たかだまこと）

昭和10年生まれ（73歳）／6回生

【経歴】

アソカ幼稚園→戸尾小→旭中学→北高→早稲田大学→ボウリング全日本チャンピオン→プロショップスペシャリスト→（財）日本オリンピック委員会強化コーチとして現在に至る。（プロフィールはこちらをご参照ください！）

http://www.takadamakoto-proshop.jp/html/index.html

【��田誠ボウリングプロショップ連絡先】

松戸市常盤平西窪町11番地の32

予約電話　047-394-0707

http://www.takadamakoto-proshop.jp/

【趣味】クレー射撃、陶器刀剣蒐集、食べ歩き、佐世保の歴史古地図の研究

すべては、スポーツの感動、驚き、発見のために

日本にはかつてボウリングブームがあった。テレビをつけると、週に何回かはボウリング番組があったり、CMにボウリング界のスターたちがでていたり。そんな時代があったことを私も微かに覚えている。現在、私たちがボウリングに抱くイメージは？　てっとり早く楽しめる、会社などのスポーツ大会などで行われる娯楽風スポーツ、簡単に遊べる娯楽、などではないだろうか？

■ボウリングとは？

どのくらいのスコアを出す人たちを、ボウリングが上手い人というのだろうか？　その人たちは何ポンドのボールを使っているのだろうか？　重いボールを思いっきり投げればハイスコアがだせるのだろうか？

そういう問いの前に、ボウリングがうまくなりたいから一生懸命に練習しようと思う人は、はたしてどのくらいいるのだろうか？

簡単に遊べて、たまにストライクがでてハイスコアをだしてしまうことがあるので、練習する必要などない。と思っている人達が多いのではないだろうか？　勿論、プロボウラーになりたいと思う人は例外だろうが。ちなみに、ボウリングと呼ばれているものには現在でも10種類以上ある。テンピンボウリング、ナインピンボウル、芝生の上で行うローンボウル、キャンドルピンボウル、ダッグピンボウル、セーレ、ボーレETC、中でも世界的に盛んに行われているのは、おなじみのテンピンボウリングであり、日本はアメリカについで2番目に盛んな国だ。通産省のスポーツ白書では日本人の行うスポーツの中では、ボウリングはジョギングについで2位にランクされている。

日本では、かつてレジャーとしてのボウリングがあまりにも盛んになりすぎ、スポーツとしてのボウリングの認知度が低くなってしまったのではないだろうか？

しかしながら、現実には、アジア大会、国民体育大会、世界選手権、高体連の種目として盛んに行われている。

■ボウリング界のお医者さん

「ボウリングは、ハンマー投げと同じくらい練習難解度の高いスポーツです。スポーツとして上達を望むのであれば、まず自分専用のマイボールとマイシューズを作ることが絶対条件です。経験がものをいうスポーツなのでキャリアが必要となり、多少体力が低下した50歳60歳の方でもボールの作り方選び方により全国レベルで戦うことができます」。

そう語るのは、日本ボウリング界に少ない存在の「テクニカルサポーター」「プロショップスペシャリスト」という肩書きをもつ��田誠さんだ。

ちなみに、国内では（財）日本オリンピック委員会強化コーチとしても活躍し、世界レベルでは米国ブランズウィック社（シカゴ・マスキゴン）のボール設計者として契約し、国際的に活躍している。

指の太さ、長さ、関節の柔軟性、投げるフォーム、練習時間などによって自分にあったマイボールを作る必要がある。そのために予約をいれ��田さんに診断を求めるのだ。対応する��田さんは、さながらボウラーにとって医者だ。身体的特徴から練習環境などを診断し、その人のためのボールを作る。それがドリラーとしての仕事だ。

ボールを作って終わりではない。マイボールを作った人のその後のケアをするテクニカルサポーターとしての仕事がある。高体連の種目にボウリングが入っているのに、ノウハウを知る指導員が不在なため、��田さんのようにボウリングをよく熟知している人が指導員として必要となる。アメリカではこのようにボウリング全般に関わる仕事をする人達のことを「プロショップ・スペシャリスト」と呼んでいる。日本には現在、こう呼ばれる人は��田さん唯一だ。故に、��田誠ボウリングプロショップは日本における個人プロショップ経営第1号となった。

高田さんのドリラー歴は49年だ。人生の半分以上をボウリングに捧げている人生はどのように始まったのだろうか？　

「当時強豪校だった旭中学で野球をしていて、その後、北高、大学でも野球をしていました。不運にも3年の時に肩をこわして野球を辞めたのですが、その頃、東京青山にあった東京ボウリングセンターによく遊びにいっていました。1960年頃に日本に自動ピンセッターがアメリカから輸入され、晴海の国際見本市に展示されました。この展示レーンでモデルとして投球してくれないかというリクエストがあり、ギャラをくれるという言葉に惹かれて引き受けたのです」。

ボウリングと出会い、ボウリング業界で生きていこうと思ったものの、日本には、ボウリング先進国アメリカほどその道のスペシャリストが存在していなかった。何もかも自分で研究し開拓していく他なかった。そんな時、��田さんは、アジアにおけるボウリングレーンコンディションにあうボールを作って欲しい、とアメリカのボールメーカーに直談判しにいった。それが、��田さんとアメリカとの付きあいの始まりとなった。

「苦しい時代もありました。でも幸いにも、皆さんに助けられて徐々に生活が落ち着いてきました。今思うと、苦しく暇な時間があったから、ボールをつくる研究ができたのだと思います」。

他の仕事をしたこともあるが、結局、好きなスポーツの仕事に戻ってきた��田さん。70歳を超えた現在も現役で、マイボールを作って指導する仕事、ボールをつくる研究、指導者の養成、と忙しく休む暇もない。

��田さんの日常をざっと紹介すると、基本はオフィスにいて、毎日午後1時〜3時まで近くをジョギングする。毎週2日、日本工学院スポーツカレッジで講師として授業を持ち、土曜日の午前中2時間は2016年のオリンピック参加をめざしてジュニアチーム（チーム高田）の指導にあたっている。

土曜日の午後と日曜日はプロショップを訪れる人々の応対にあたる。プロフィールをみればわかるように幾多の団体で指導にあたっているのでそのための資料作りや地方への出張も多く、ボール開発研究のために年に3回はアメリカにも足を運ぶ。仕事をセーブしていると口にするが、まことにエネルギッシュな人生だ。

ボウリングのボール材質は日々変化している。それについてゆくため��田さんの研究はこれからも続く。まだまだ��田さんが発見することは沢山ありそうだ。

【参考】

■日本プロボウリング協会HP　http://www.jpba.or.jp/

■��田さんが注目するボウラー

山本勲プロ、棚橋孝太プロ、片井文乃全日本キャプテン、室井勝ジュニア、小原央士ジュニア、新井信吾ジュニア

＜これからスポーツを始める子供向け��田さんからのメッセージ ＞

よく寝て、きちんとした食事をちゃんと食べ、スポーツに適した筋肉を作る。色々なスポーツをしてみることが大事！

（2009年2月末日掲載）

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